乙骨ぎらい


乙骨が好きになれない。
理由の一部はひとつ前の投稿にあるが、実はそれだけじゃない。呪術廻戦0の乙骨は決して嫌いなキャラではなかった。だが、長い沈黙の後に復活した彼は、あまりに別人だったのだ。

上層部側についたかのように見せかける、バレバレだが否が応でも期待を煽る登場の仕方。強いってことは一目瞭然だけど、落ち窪んだ目と表情、怖すぎるやん。死神かと思ったぜ。

さらに問題なのはその内面。ミゲルと行動を共にして、陽気なアフリカン気質が多少は移ったのかと思いきや、むしろその逆。ひょっとしたら想像を絶する修行でもして、最強になった自分を自覚したのであろうか。弱々しさや謙虚さのようなものが一切消えており、伝わってくるのは最強としての自信だけだ。虎杖との一騎打ちになった時、私にはそれが “上から目線” としか捉えられず、カチンときてしまったのだ。

「虎杖悠仁は僕が殺します」と上層部に言い切った時、虎杖をいったん殺すという策は頭の中に出来上がっていたんだろうが、これって自分が負ける可能性を全く考えていないよね。戦闘中も「走り出しで潰すつもりだった」「五条先生の教え子だもん 一筋縄じゃいかないか」と来る。余裕だね。アナタハカミデスカ?と言いたくもなるよ。

この感情、前にも感じたことがあると思ったら、五条悟だ。稽古を頼んだ伏黒に言った「それじゃ僕どころか七海にもなれないよ」にカチンときた覚えがある。ななみんを見下しすぎだと腹が立ったが、五条が見かけどおりの傲慢で自分勝手な男でないことを私は知っている。物語の始まりから獄門疆に閉じ込められるまでの期間、ずっと彼を見てきたから。単行本にして10冊ちょっとの重みとでも言おうか。一方で、私の知る乙骨は0の中の彼だけだ。しかも戻ってきたらまるで別人。過ごした時間があまりにも短いうえ、どこか機械的なものさえ感じてしまう乙骨は、私にとって不穏な、感情移入不能なキャラクターなのだ。

好きになれない理由はもうひとつ。こっちの方が重大。それは里香ちゃんを再び引きずり出したことだ。「はあ?!」「何で?!」「ウソやろ?!!!」32回は声に出して叫んだわ。いやいやいや、あり得へんやろ。どんな神経しとるんや。可愛らしい元の姿に戻って、ようやく天へと旅立つことができたんだぞ。何でまた怪物姿で引き戻すかな。

“外付け” とか説明されてもよくわからん。旧里香ちゃんも、乙骨の怨念があのような形で彼女の魂を引き留めたもので、生まれ持つ能力の高さと桁外れの呪力量の結果だ、ぐらいの認識だった。里香ちゃんがいなくなっても外付けとかできるんだったら、全く別物でもいいんじゃないのかい。百万歩譲ってあの形態しかなかったとしても、名前ぐらいは変えようよ。乙骨はあの姿の里香でも愛せるらしいし、当の本人も気にしてないとは言っていたが、女の子ってやっぱり可愛くいたいものよ。「もういい加減やめて」って言ってるよ、上にいる里香ちゃんは。たぶん。知らんけど。

私だったら “わたるくん” って呼ぶな。あ、無関係な人名とか今時コンプラ的にヤバいか。だったら大魔神とか玉梓とか鉄人2号とか、この際何でもいいや、里香以外なら。※
外付けの件については、おそらく私がわかっていないだけなんだろう。根っからの文系頭にもわかるような説明を誰かしてくれないかな。多分納得はしないだろうけど。

「乙骨が嫌いなヤツなんて見たことも聞いたこともねぇわ」って言われたことがある。

ごめん。若干1名ここにいます。

※脚注
わたるくん:私のような年代の者にとって、リカちゃんと言えばリカちゃん人形のこと。リカちゃんのボーイフレンドがわたるくんでした。その後リカちゃんは彼氏を取っ替えていたらしく、わたるくんを含めて歴代6人のボーイフレンドがいるのだそう。やるな、リカちゃん。
玉梓(たまずさ):その昔、NHKで放送されていた人形劇『新八犬伝』のキャラクター。怨霊。登場するときのフレーズ「我こそは玉梓がおぉんりょ~う」は今も忘れられない。
鉄人28号:ご存じ(?)横山光輝のマンガに登場するロボット。私が見ていたのはアニメ版。操縦用のリモコンをブロックで作っていた記憶があります。懐かしいです。
以上、昔話シリーズからお届けしました。

なぜ乙骨は当主代理なのか


正確に言えば【なぜ乙骨は五条家当主代理なのか】である。
答えは簡単、新宿決戦後の五条家には跡を継げる人間がいなかったから。
物語が始まった時点では五条悟が五条家の当主であり、まさに唯我独尊状態であった。その彼がいなくなったとなれば一体誰が跡を引き継げるのか。生きているとされる彼の両親は年齢的に除外するとして、血族を遡れるだけ遡ったとしても呪術師として五条家を率いることができる人物が見当たらなかったと推測できる。だからこそ、五条家とは遠い遠い親戚とされる乙骨憂太が選ばれたのだろう。しかも彼は五条悟を凌駕するほどの呪術師なのだから。

いや違う違う。
ここで問題にしているのは、なぜ当主ではなく当主代理なのかだ。
これまた答えは簡単、正当な五条家当主となりうる人物が現れる可能性があるから。その可能性には大きく分けて2つの道筋がある。
1.生き残っている親族の子孫から
2.五条悟の子孫から(【五条悟は子孫を残したか?】参照)

エピローグ パンダを読んだ瞬間、乙骨憂太は五条悟の子孫を待っているんだなと直感した。その可能性があるからこそ当主代理を引き受けたのだ。「わかりました。五条先生の跡を継げる術師が現れるまで、あくまで当主代理として僕が五条家を守ります」的なこと、いかにも言いそうだし。その人物が現れるのは恐らく数百年後になるであろうが。

新宿決戦から500年の時が流れたある日、六眼を持った白髪の子供が五条家にやって来る。(妄想暴走中)
代々当主代理を務める乙骨家は大混乱に。六眼のことなど言い伝えでしか聞いたことがない。「確か忌庫に初代当主代理の残した巻物があったはず…」
埃まみれで虫食いだらけの巻物にはこうあった。

新たなる呪術廻戦の幕開けだ。


誰か私を止めてくれ~!