**CAUTION**
呪術廻戦最終話(コミックス30巻)までの内容を含みます。この先はそれを了承のうえでお読みください。
このカテゴリーではキャラクターへの思いをぶちまけてきたが、女性が一人もいないことにお気づきか。避けているわけではない。単独で語りたいと思う対象がいないのだ。私が女性だから男性にしか目がいかないのだろうか。
二言目には「女が」と言われて育ってきた。頭の良い女は嫌われる。常に男の後ろを歩く “わきまえた” 人生。求められているのは、かわいさ、か弱さ、従順さ、もしくは単なる性的対象か。成長するに従い、そんな現実にもステレオタイプな女しか出てこないメディアにも辟易するようになった。
一年ズ~虎杖・伏黒・釘崎~は、男×2+女×1のド定番の構成だ。先へ踏み込んだ理由は、釘崎が女々しさのないぶっ飛んだキャラだったこと。私の知らぬ間に時代は変化しているのかも。その期待が呪術廻戦を追い続ける導火線だったんだと思う。
だが釘崎をもってしても、私の中のステレオタイプなイメージは拭いきれなかった。アニメ特有の甲高い声でまくしたてるシーンはやっぱりしんどい。男性陣二人と比べれば肉弾戦はどうしたって劣る。渋谷で姿を消したのは、その後の展開では出番がないのが現実か。最期の最後に復活した彼女の術式は、まさにそのためにあったとも言えるのだろうが、渋谷後の苦しい時間を全く共有できなかった穴は大きい。
私にとってのプラスの要因は、三人が最後まで恋愛感情抜きで友情を貫いてくれたことだ。
家入硝子も釘崎同様トリオで登場。一見特異な存在にも見えるが、実は最も典型的な女性キャラだった。学生時代の役割は五条と夏油の緩衝材。最後まで生き残った彼女の役割はナイチンゲール。RPGにおけるヒール魔法の使い手といったところか。ただこちらも恋愛感情一切なしってのは小気味よかった。感情が見えない機械的な感じは私にはむしろプラスだ。
本来単独で取り上げるべきは禪院真希だろう。死滅回遊と新宿決戦に実際に参戦する女性は彼女だけ。真希の場合は双子の真依と共に、男性優位の術師の家系に生まれた女性としての立場も描かれ、呪力を持たないという十字架も背負っている。普通なら飛びつきたい設定なのに、書きたいとは思わなかった。
呪術廻戦において命を落とした術師たちの最後は悲惨だ。姿かたちを読者の心ごとズタズタにする。それがこの作者のやり方と見た。真希は渋谷で生き残りはしたが、その容姿をズタズタにすることで女性としての存在を一度殺したと言ったら言い過ぎだろうか。
再生後は甚爾と並ぶ “鬼人” としての存在へと変わり、私には肉体派の呪術師の一人としてしか捉えられなくなった。
その他の女性たちについては、全般的に置物的な印象が強くて言うべきことがない。
伏黒津美紀はさすがに重要な意味を持つキャラクターだとは思うが、特に思い入れるところもなければクレームもつけようがない。ほぼ寝たきりなので。
星漿体は性別を問わないはずだが、一番ウケがいいだろうあの設定になってしまうかという感じ。
九十九と冥冥もそれぞれ存在感はあるのだが、九十九はあそこまで肉体美を晒す必要があったかな。(断じて妬みではない…と思う)
冥冥はミステリアス感出しすぎて、何がどうしてああなるのかわからないミステリアス魔女代表。でも正直嫌いじゃない。
ちなみに一番嫌いなのは歌姫。女性にするならもう少し落ち着かせてやれなかったかな。
頭のどこかが常にそんなことを考えているらしく、女性はこんな風に女性を描かないだろうとの隠れた思考が、作者=男性との決めつけにつながった。どこで見たかは覚えていないが、”作者は女性という説もある” ことを知り、そう見る人もいるのかと、あわてて作者を指す “彼” という言葉を消した。
男女の性差どころかLGBTQ+という言葉が作り出されるほどジェンダーレスが求められつつある現代。けれど太古の昔から根付いて来た線引きは、そう簡単に消せるものじゃない。自分は違うと思っていても、こんなことをグダグダ書いている時点で、一昔前の思考から抜け出せない化石のようなものだ。それでもいつか女性が男性と肩を並べて闊歩する世界を見てみたいと思う。
物語の筋読みをしてしまう妄想癖のある私。
見た目をぶっ潰されて終わると踏んだ五条は、天元の後釜となり二度と拝めないだろうとか、破壊されたパンダの核となるとか、勝手な予想をして失笑を買っていた。メインを張る四人のうち一人だけ生き残るか一人だけ死ぬかのどちらかだ、という作者の発言を見た時、私の頭に浮かんでいたのは、廃墟となった町を彷徨うボロをまとった一人の術師の姿だった。その顔は見えないが、現代最強とされた術師でないことだけは確かだ。
それから500年ほどの月日が流れ、日本はまるで時間を遡ったかのような荒廃した地となっている。とあるあばら家で一人の赤ん坊が生まれる。その目は青く髪は真っ白。それを藪の中からじっと見つめる怪物のようなものの姿。
私の妄想はそこで終わる。
生まれたのはもちろん女の子だ。